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この春新卒、俺無職なんだけどwww完結

145 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「ありがとうございます!もっと頑張ります!」
リーダー:「そうね、頑張って」

やりがいのある仕事、楽しい仲間。
俺はまさしく、幸せの最高潮にいた。


リーダー:「あ、外線」





そう、この外線がかかってくるまでは……。





150 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「ヨルツキ君、電話」
俺:「電話?」
リーダー:「うん、ヨコヤマさんって人。なんかおかしい」

ヨコヤマさん?
誰だろう……思いつかない。

俺はリーダーから受話器を受け取った。






151 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「もしもし?」
?:「あ、もしもし、ヨルツキ君?隣のヨコヤマだけど……うぅぅ」

隣のヨコヤマ……お隣の横山さん?
その奥さんからの電話だった。
しかも尋常じゃない雰囲気だ。

俺:「どうしたんですか?落ち着いてください」
電話の向こうで嗚咽が聞こえる……泣いているのか?





横山:「お母さんが事故にぃっ!」







153 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
えぇぇぇぇ?!





155 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
やだやだ><





158 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「え……?」

頭の中が真っ白になった。

母さんが……事故?


さっきまで御飯を一緒に食べてたじゃないか。
今日は早出勤だから、いつもより腹持ちの良い物をって一緒に食べてたじゃないか。






159 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
横山:「ごめんねぇぇっ!早く病院来て!ヨルツキ君のお父さんにも連絡しておくから!」
横山さんの必死の叫びが受話器から聞こえる。
しかし、俺は事態を把握することができなかった。

リーダー:「どうしたの?」

受話器を持って固まってる俺に、リーダーが声を掛けてきた。

リーダー:「ヨルツキ君?!ねぇ?!ちょ、貸して!」

俺は手元から強引に受話器を奪われた。






160 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「わかりました、○○病院ですね!すぐ行かせます!」

事故って何だ?

交通事故?

交通事故って車にはねられることだよな……。



リーダー:「ヨルツキ君!ヨルツキ君!……ヨルツキ!

俺はリーダーに両肩を掴まれ、前後に揺さぶられた。






161 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「早くっ、何してんの?!○○病院!」
俺:「え、でも……リーダー一人ですよ」
リーダー:「馬鹿!加藤君呼ぶわよ!」
俺:「あ、はい……」
リーダー:「どこ行くの?着替えなんて必要ないでしょ?!これ……これ持って行きなさい!」

リーダーがレジを開け、万札を何枚か手渡す。






162 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「いい?!駅でタクシー拾って、○○病院行くの!わかった?!」
エレベーターに強制的に乗り込まされ、俺は店を後にした。






163 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
タクシーで病院に向かう途中、次第に事の大きさがわかり始めた。

どうしようもなく鼓動が早くなり、指の震えが止まらない。


母さんが…事故?



どうして?






165 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
横山:「ごめんねぇぇぇごめんねぇぇぇ」
病院に着くと、横山さんがハンカチで目元を押さえながら必死に謝ってきた。
母さんは今、緊急治療室に入っているらしい。

俺と横山さんは、緊急治療室の前のベンチに座った。


何もできない無力な自分。
今できることは……祈ること……。






167 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
本当に……こういう時って無力だよな……





170 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
とりあえずAEDの使い方くらい知っておくべきだな





173 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
いつもは神様なんて信じないのに。
どの神様でもいい、母さんを……母さんを助けてください!

……必死に祈った。
無事にこの手術ランプが消えることだけを祈った。






174 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
横山さんが取り乱してるせいか、俺は意外に冷静になれた。
大丈夫です大丈夫ですと繰り返しながら、横山さんが事情を話してくれるのを待った。
少しずつ落ち着いてきた横山さんが、時折嗚咽混じりに事情を説明してくれた。






175 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
話をまとめると、俺が早出勤に出たあと、スーパーの見切り品を買いに行こうと横山さんが誘ったらしい。

二人でスーパーに向かう途中、指輪が抜けて道路に転がった。

それを追いかけ、車道に……。






176 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
指輪……





180 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
いやぁぁぁぁ!





182 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
そう横山さんが話し終えた後、手術ランプが消えた。


先生が出てくる。

俺と目があった。


先生は首を横に振った。









母さんが……














死んだ。



















184 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
。・゚・(ノД`)・゚・。





186 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
うわああぁぁあああぁぁぁぁぁぁ





187 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
いやぁぁぁああぁぁあぁぁ





190 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
カアチャン。゚(゚´Д`゚)゚。





193 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
目から汗が・・・違う・・・涙だ(TдT)





195 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
横山さんの泣き声が遠くで聞こえた。
霊安室に運ばれる母さんの亡骸。
俺は夢遊病者のように後を追った。






196 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
顔には白い布が被せられている。
俺はそっとその布を捲った。


俺:「母さん」


ただ眠っているように見える母さん。
そう、眠ってるだけだよな……。






197 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
母さんの枕元に指輪が置いてあった。

看護士:「お母さん……事故にあったにもかかわらず、その指輪最後まで握ってたんですよ」

俺があげたダイエットの指輪……。
俺は枕元から指輪を拾い上げ、冷たくなっていく指にそっとはめてあげた。






198 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
横山:「うぅ……全部お父さんに任せるから、ひっく…ヨルツキ君は一度お家に戻って連絡を待って」

後から入ってきた横山さんが、母さんの姿を見て再び泣き出した。

俺は素直に従った。


……いや、ただこの現実から逃げ出したかったんだ。






199 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
家に帰れば母さんがいる!

そう信じて疑わなかった。


……しかし、玄関のドアを開けると明かり一つ点いていない。

いつもなら母さんが出迎えてくれるはずなのに……。


母さん:『おかえり、御飯できてるよ……』


……俺はそこで初めて、母さんがいなくなったことを受け入れた。






200 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺は玄関で泣き崩れた。


どうして……?

どうして?!

俺、母さんに嫌われるようなことしたか?
就職も決まらない馬鹿息子は、いっぱい心配をかけたかもしれない……。

でも最近は、母さんの笑顔をたくさん見れたんだ!
仲間ができたって言ったら喜んでくれた!
指輪だって喜んでくれたんだ!



どんなに親孝行しても!

どんなに真面目に生きたとしても!





母さんを連れて行くんですか?!




お願いです!





連れて行かないでください!








もっと親孝行させてください!!







202 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
『じゃあ、はめてくれる?』
『自分ではめなよ』
『せっかくだから、ね?……こっちは父さんだから、こっちに』
『あれ?』
『結構ゆるいわね……中指にはめてみて』
『それでもゆるいな……交換してもらおうか』
『ん、大丈夫。これが……いいの』
『でもさ……』
『初めての、これがいいの』



俺が……。


俺が……殺した?



俺が殺した?!






203 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺が母さんに指輪を贈ったから!
俺が指輪を贈らなかったら……母さんは!母さんは!

最近太ってきたって言ったから……痩せてもらおうと贈っただけなのに。
俺がバイト初めた頃から太って……



?!






204 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺にとっては晩ご飯でも、母さんにすれば朝ご飯。
俺に合わせた食生活をしたおかげで、母さんは朝から肉や脂っこい物を食べてたんだ……。


俺が殺した……。

俺が殺したんだ……。


俺は拳を握って玄関の段差に叩きつけ続けた。


いくら手から血が出ようとも、胸の痛みにはかなわなかった。







205 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
カアチャン(´;ω;`)ブワッ





206 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
運命って……残酷だね……





210 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
人の死を運命って言葉でくくられたくない





211 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
コンコン
ノックする音で気がついた。

リーダー:「……こんにちわぁ……ちょっと!ヨルツキ君!」
泣き疲れて、いつの間にか玄関で眠っていたらしい。
リーダー:「手、どうしたの!」

ハンカチを取り出し、俺の血だらけになった小指を拭こうとする。






212 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「血は止まってるみたいね。良かった」
誰にも会いたくなかった。
この鼻水で汚れた顔を見られたくなかった。

リーダー:「従業員名簿で住所調べてきたの。とりあえず、荷物必要でしょ?」
俺はバイト先のユニフォームを着たままだった。
リーダーはロッカーに預けていた俺の私物を持ってきてくれたんだ。






213 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「お母さん……どうだった?」
俺:「帰ってください……」
リーダー:「まさか……」
俺:「帰れよ!」

そこから先は聞きたくなかった。
俺は顔を上げることができなかった。

いつものリーダーの優しさが……その時はうざかった。






214 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「そう……元気出して……私にできることがあったら何でも言って」
俺:「放っといてください!」
リーダー:「放っとけないよ!……仲間じゃない」
俺:「リーダーに俺の気持ちがわかりますか?!」

どんな悪いことをしてる奴だって、のうのうと生きてる。
それなのに、どうして母さんが死ななくちゃならないんだ?!






215 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「リーダーの親はまだ生きてるんでしょ?この気持ちがわかりますか?!」
リーダー:「……そうね……」
俺:「じゃー放っておいてください!くっ」

枯れたはずの涙が再び溢れ出た。
何も知らない人間に、同情されるのは悔しかった。






216 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「確かに私の両親は健在。今のヨルツキ君の気持ちはわからないかもしれない」
俺:「じゃあ、もう帰って……」
リーダー:「でも、私も……大切な人を…失ったこと……ある……」

リーダーの声のトーンが変わった。
俺は鼻水を袖で拭きながら、リーダーを見た。






217 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「私……子供がいたの……」
俺:「え……?」
リーダー:「……って言っても、流産したんだけど……ね……」

流産……。
この手に抱いた舞人くんを思い出した。


『初めて抱いた赤ん坊。
 小さくてもズシリと重みを感じる。
 その小さい手は、常に何かを掴もうと伸ばしていた。

 脆くて危うくて……でも力強く生きようとしている。

 人の子でこれだけカワイイのだから、自分の子ならどれほどカワイイのだろう』



それを……希望の光を……リーダーは失っていたんだ。






218 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「だから……大切な…人……亡くなった気持ち……わかるよ……w」

どうして……どうしてこの人は……。
そんな過去を……笑って話せるんだ……?
どうして俺に……そんな辛いことを……話してくれるんだ?






219 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「我慢しなくていいよ。全部聞いてあげる」

心の全てを包み込む言葉。
俺は声を出して泣いた。






220 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「俺が母さんを……殺したんです……」

俺は心の内を包み隠さず、全てリーダーに話した。

リーダー:「それは違うわ」

リーダーは強く否定した。






221 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「でも、俺が指輪をあげたから……俺がバイトを始めたから!」
リーダー:「違う!お母さんは本当に幸せだったはずよ!私は……私は何ももらうことができないもの……」

親を失った自分。
子を失ったリーダー。
形は違えど、リーダーの心が伝わってくる。



「どんなに大きくなっても、子供は子供。
 一緒に御飯を食べられる幸せ。
 毎日無事に家に帰って来てくれる幸せ。
 そんな些細なことが、一番の幸せなの」



それは……まるで母さんの言葉のようで。






225 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「もっと……もっといろいろしてあげたかった…」
リーダー:「そうね……ヨルツキ君は……これからもっと親孝行するの」
俺:「でも…母さんは……いない」
リーダー:「ヨルツキ君が精一杯生きることが、唯一できる親孝行よ。夢は……ある?」

夢……。

ゲームクリエーターになること……。






226 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「はい」
リーダー:「じゃあ、それに向けて頑張ろう……私も仕事頑張るよ」


…リーダーが毎日、どんなシフトでも休まずに仕事に来る理由。
いつも明るく振る舞って、周りにも元気を与える理由。

……リーダーも誓ったんだ。
子供が亡くなったその時に。
そうやって生きていこうと。
どんなに辛いことがあっても笑い飛ばしてやろうと。


俺:「……はぃ」
リーダー:「よく泣くなぁヨルツキ君はw……泣いていいよ。いっぱい泣いて」

声を殺そうとしたが、止めどない嗚咽がそれをさせなかった。






228 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
リーダー……強い人だな(´;ω;`)





229 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ずっと軽い女だなって思ってた・・・演じてたのか・・・





230 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
それからほどなく、父さんから連絡があった。
俺は……支えられながらも、自分の力で立ち上がった。
男として泣き顔を見られたという恥ずかしさもあったが、俺はリーダーに深々とお礼をした。
リーダーは『困ったことがあったら何でも相談して』と言って帰っていった。

リーダーの励ましがあったおかげで、その後、無事に母さんとお別れすることができた。
もしもリーダーがいなかったら、俺は加害者を攻撃してしまうという法治国家の道を踏み外したかもしれない。






232 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
空気読めなくてごめん
加害者の事どう思ってる?


>恨んでる。
>相手は飲酒していた。
>ただ、酒気量は少なく飲酒運転にはならなかったらしいが。
>人の命を奪っておいて、5,6年すれば出てくるんだ。
>毎日殺人事件のニュースが流れ、裁判の結果が報道される。
>被害者がどれだけつらい思いをしているのかよくわかった。
>この国は、救う人間を間違えている。

>だからこそ出所後も、しっかりと罪の意識を持って生きて欲しい。
>刑期を終えたから終わりじゃない。
>それが今言える限界






236 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
母さんとの別れを全て終えた日。
単身赴任でずっと家を空けていた父さんと、家で会話するのは久しぶりだった。
父さん:「一人でやっていけるか?こっち……来るか?」
俺:「大丈夫」
父さん:「そうか。もう今年卒業だろ。就職決まったか?」
俺:「ううん……けど、やりたいことあるから」
父さん:「そうか……今まで放ったらかしだったから、今更どうこう言うつもりはない」

父さんはそれ以上何も聞かなかった。






237 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「父さん」
父さん:「何だ?」
俺:「今日から……オヤジって呼んでいい?」
父さん:「なんだそれはw……好きにしなさい」

小学生の頃、両親をパパ、ママと呼んでいた。
それを友達に馬鹿にされ、これと同じ事を言った。
今日から父さん、母さんと呼ぶ……と。
その時、少し大人になれた気がした。

オヤジ……その響きに憧れていた。
みんなはいつからそう呼ぶようになるんだろう?
何のきっかけでそう呼ぶようになるんだ?






240 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
……そして、いよいよオヤジも仕事先に戻る日が来た。
忌引休暇で3日間寝食を共にした。

オヤジ:「じゃあ、行ってくる」
俺:「頑張って」
オヤジ:「母さんの事は……任せなさい」

じゃあ、と手を挙げた薬指には、しっかりと結婚指輪がはめられていた。






241 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
辛いのは俺だけじゃない。
オヤジだってひどく傷つき悲しんでいるだろう。
それでも、俺にはできるだけそういう態度を見せなかった。
結局この休暇では、一度もオヤジと呼べなかったけど……次会った時は必ず。






242 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
オフクロ……俺は心にいるオフクロに呼びかけてみた。

オフクロ:『やだー、オフクロなんて。急に老け込んじゃうわw』

そう聞こえた気がした。






243 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
仕方なかったとはいえ、4日もバイトをあけてしまった。
俺は今晩から出勤できるとリーダーに連絡した。

リーダー:「そっか、待ってるよ〜w」

いつもと変わらない、そのリーダーの元気さが有り難かった。






244 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
まずは加藤君に謝らなくちゃ。
休みも返上して出てくれているはずだ。

俺は両頬を叩いて気合いを入れ、母さんに行ってきますを言ってから家を出た。




246 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
エレベーターが開くと、受付にリーダーと加藤君がいた。

リーダー:「おはよーw」
加藤君:「おいっす!」
俺:「おはようございます、先、着替えてきます」

いつもと変わらない二人。
俺は今日から、自分の夢に向かって改めて頑張っていくんだ。






247 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「加藤君、ありがとうございます」
加藤君:「いや気にすんなって」

……そういえば……加藤君もお父さんを亡くしているんだ。






248 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「ヨルツキ君……ちょっと」

リーダーが真剣な表情で呼びかけてきた。
リーダーがこの表情をすると、普段とのギャップが激しくていつもドキドキする。






249 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「嫌かもしれないけど……店長にも挨拶しとこっか」

確かにそれが礼儀ってもんだ。
忌引とはいえ、4日もシフトを乱してしまったんだ。

しかし、あの男に頭を下げるのは癪に障る……。






253 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
常識だけど……これはさすがにww





258 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
あの店長には絶対頭下げたくないよな〜。





260 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「店長、すいませーん」
リーダーは俺が頷いてからドアをノックした。

しばらくしてから、ドアの鍵が開いた。






261 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「店長、ヨルツキ君が言いたい事があるって」

そう聞いた店長が、眉間に皺を寄せて部屋から出てきた。






262 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「……ご迷惑おかけしました」
店長:「何?忙しいんだけど」
俺:「すいません」
店長:「あぁ……困るんだよね。お店のお金持っていっちゃ」
リーダー:「…それは私が渡したって言いましたよね」
店長:「けど、実際持って行ったのは彼でしょ?」
俺:「はい、そうです……申し訳ありません」

確かに急いでいたとはいえ、あの時の俺とリーダーの行動は間違っていたのかもしれない。
店のお金を勝手に持ち出したんだからな。






265 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「あ〜あ。泥棒雇ってるなんてバレたら、本社から何て言われるか」

さすがに店長。
ネチネチとイヤミをぼやいてくる。
俺はひたすら頭を下げ続けた。






270 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???

               . -―- .      やったッ!! さすが店長!
             /       ヽ
          //         ',      おれたちにできない事を
            | { _____  |        平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ






274 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「前から思ってたんだ、やるんじゃないかって」
リーダー:「ちょっと、店長それは言い過ぎです」
店長:「仕方ないじゃん、事実なんだから」

店長の暴言はエスカレートしてくる。





次の一言が店長の運命を決めるとも知らずに。






279 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
「それより、困るんだよね〜嘘ついて休まれちゃぁ……これで何人お母さん殺したの?






頭の線がキレた音が確かに聞こえた。






285 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
その瞬間、鈍い音とともに店長が吹っ飛んだ。
まるでDIO様にぶっ飛ばされる花京院のように!



「もう一回言ってみろ!」




俺より先に、加藤君が拳を振り抜いていた。






290 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
加藤君……惚れた!





294 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
加藤君になら……初めてあげてもいい!


……男だけど。





300 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???

       ,
            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|
          N| "゚'` {"゚`lリ     や ら な い か
             ト.i   ,__''_  !
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |_____ ,. -  ̄ \____|
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄ /       \  ̄|
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /   , /     ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /     l |      ! ̄ ̄|
_______l       -ヾ ̄  l/         l|       |___|








305 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
アーッ!!





310 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「くっ!殴ったな!クククククビ!クビだぁぁぁっ!」
加藤君:「クビでもなんでもしろよ!おまえは超えちゃいけねー線超えたんだぞ?!わかってんのか?!」

さらに殴りかかろうとする加藤君。
クビ……加藤君がクビ?

俺:「ちょっ!加藤君!いいんです!大丈夫っすから!」

俺は必死に加藤君を押さえつけた。






311 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「クビだぁぁ!おまえはクビだぁ!」

ルームの方に響きわたる声。

店長:「警察!警察!今見たでしょ!彼が殴ったの!証人はいっぱいいるぜ!」

店長は周りに問いかけるように、大げさに自分の頬を撫でる。






312 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「リーダー、今の見たでしょ?警察呼んで!こいつはクビだぁぁぁ!」

騒ぎ立てる店長にリーダーが近づいた。







313 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0

バシッッ!



ものすごく大きな乾いた音がした。

リーダーが店長の頬を……思いっきりビンタした。



……その一撃で店長だけじゃなく、加藤君も静かになった。






318 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
永作GJ!!





322 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
永作になら、30年守り通した俺の初めてあげてもいい。





325 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
いらねーよwww






328 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「これで……私も……クビですね」

叩いた右手首を左手で押さえながら、リーダーが呟いた。

リーダー:「もう……限界です……誰もあなたについていけません」

あのリーダーが……初めて俺の前で涙をこぼした。



それは……切なくて……切なくて……。
見たくない、目を背けたかった。






330 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「うわぁぁああああ!」

気が狂ったかのように、店長は叫んだ。

店長がリーダーに掴みかかる!


俺:「?!!!!!!!!」





331 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダーが危ないと思った瞬間、体が勝手に動いた。

店長がリーダーを掴む前に、俺は二人の間に滑り込んだ!






333 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「うあああああっ」
俺:「ぐぐ……」

店長が奇声をあげながら、俺の首を絞める。
俺と同じくらいヒヨッコのくせして、もの凄い力だった。

息ができない……よりも首の骨が折れそうだ!

店長の手首を持って、なんとか引き剥がそうとする!






334 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「オラッ!」
加藤君が店長の腹にグーを入れる。

店長:「ぐぷっ!」
店長の手から力が抜け、その場に膝をついた。






338 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「お、おまえら……全員……クビだぁぁぁ!」

そう言って自分の部屋から荷物を持ちだし、店長は逃げるようにエレベーターを降りていった。






339 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「ヨルツキ君!大丈夫?!」

受付にもたれかかった俺の首元を、リーダーが心配そうに覗き込む。

俺:「死ぬかと思いましたw」
リーダー:「ちょっと痕になってるけど……良かった……」
俺:「大丈夫です」
リーダー:「ごめんね……かばってくれて……ありがとう」


俺は……無意識に『盾侍』になることが…できた。






343 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「初めて人殴っちまった……」
俺:「すいません」
加藤君:「いや、全く後悔はしてないwwwオラオラオラッ!」

加藤君が俺の腕にオラオラしてきた。






346 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
加藤君が……完全にジョジョの虜www





350 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「とりあえず、今日の仕事をしましょう……はい、すいません、大丈夫でーす」
リーダーが、覗き込んでいたお客さんに謝罪に回った。

俺と加藤君も、いつもどおり仕事をこなした。






352 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
やがて朝を迎えた。

高橋タン:「おはよ〜。頑張ってこうねー」
矢口さん:「おはよう。大丈夫b」

朝の二人は俺を気遣って、優しく声を掛けてくれた。






353 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「とりあえずクビってことだけど、今日も来てくれる?w」
加藤君&俺:「はい」

リーダーが朝の二人に事情を説明した。






354 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
一緒に店を出た加藤君とも別れ、誰もいない家に帰宅した。
昨日、出勤する前にタイマーセットしていった御飯が炊けていた。
初めて自分で炊くご飯は、少し水っぽかった。






356 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
せつないな……





359 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
こういうときにカアチャンのありがたみが痛いほどわかるんだよな





362 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
次の日、店からの電話で目が覚めた。

リーダー:「ヨルツキ君?寝てた?w」
俺:「あぁ……はぁい」
リーダー:「そっか、ごめんね。今日20時から入れそう?」
俺:「あ……はぁい……」
リーダー:「ちょww大丈夫?www」

俺は寝ぼけた頭に活を入れながら、時計を確認する。

……15時過ぎだった。






363 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「どうかしたんですか?」
リーダー:「店長が出勤しないの。連絡もつかない。とりあえず20時までは朝の二人に入ってもらうから」
俺:「はい……わかりますた……」
リーダー:「大丈夫?wwwとりあえず20時待ってるよ」
俺:「へい」

電話を切ってから覚醒し始める俺の頭。






365 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長が来ていない?
しかも連絡も付かないって……。

……逃げた?

うーん……確かに昨日みたいな事があったら、もう居場所ないよな。
せっかくリーダーが居場所を作っててあげたのに。
どうして新幹線はそれをうまく使うことができなかったのか……。


……ま、正直どうでもいい。






366 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
20時に出勤すると、リーダーが現状を教えてくれた。
店長は本社からも連絡が取れず、今はリーダーを中心に店を回してくれとのことだった。
ひとまず、今月末であの新幹線は交代だったらしい。
新しい店長が来るまで、この店はリーダーに全て任されたようだった。






368 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
あとちょっと部屋にこもっておとなしくしてれば、転勤先ウマーだったかもしれんのに。
惜しいことしたな馬鹿店長w





371 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
いいよ、こういう奴はいずれ会社のお荷物になる。





373 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
あの店長がいなくなった分、精神的には楽になった。
けど、勤務時間がみんな半端無い。
全員12時間勤務、特にリーダーは12時〜8時までの20時間労働。

本社には悪いが、リーダーには暇な時間帯に休憩時間をたくさんとってもらった。


そして月初め。






375 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
前日の情報によると、新店長はひとまず前店長と同じ12時出勤らしい。
恐らく俺が出勤する頃には、リーダーと朝の二人は新店長を評価しているだろう。
前が前だけに、どんな人が来るんだろうと少し緊張してきた。

そしてエレベーターを上がる。






377 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
これは……wktkせずにいられないw





380 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
3Fに着きエレベーターのドアが開くと、リーダー、高橋タン、男の人が受付に立っていた。

リーダー:「あー、おはよう、ヨルツキ君、新しい店長w」

その男の人が一歩前に出た。

見た目は
・年齢24,5
・身長は俺と同じくらい
・結構お腹出てる
・優しそうな顔
・たむらけんじ似






381 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
新店長:「初めまして、新しく店長になりましたたむらです」
俺:「あ……よろしく……お願い、します……」

やはり俺は、初めての人とはうまく話せないようだ。
とりあえず、第一印象は優しそうだなといった感じだった。






382 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
新店長:「とりあえず、僕はこの店を大きくしたい。ヨルツキ君もその為にいろいろ意見ちょうだいね」
俺:「は、はい」
リーダー:「で、早速なんですけど、バイト増やしてくださいw」

リーダーがものすごく上機嫌だ。
今まで言うに言えなかった要望を、次から次に新店長に伝えていく。
それを新店長はきっちりメモ書きしていた。






383 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺が着替え終わると、矢口さんが一人輪から外れていた。
やはり矢口さんも、初めて会う人は警戒するんだな。

高橋タンと矢口さんの二人が帰り、俺とリーダーと新店長の3人になった。
加藤君は今日23時出勤だ。






384 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
新店長:「ヨルツキ君、ちょっといいかな?」
俺:「はい」
新店長:「加藤君来たら、前の店長の部屋の解体手伝ってくれる?」
俺:「あ、わかりました」
新店長:「……前の店長はいろいろ大変だったみたいだね。こんな部屋作って」
俺:「そう……ですね。いろいろありました」
新店長:「意気込み過ぎるのもあれだけど、僕はみんなと頑張っていきたいと思ってる」
俺:「…はい」
新店長:「だから、ヨルツキ君も遠慮無く意見してほしい」



これだ……これが求めてた理想の店長像だ!






386 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
何か裏があるんじゃないの?

>いや、この時はそんな空気をまったく感じさせない人だったよ。





390 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
とりあえず加藤君が出勤する前に、小物類の移動をしておこうということになった。
加藤君が来たら、今のロッカールームにあるロッカーを前店長の部屋に移動する。

初めて入る前店長の部屋。
前店長:「ごめーん、ヨルツキ君パソコン詳しい?」
俺:「えーと……普通だと思いますけど」
前店長:「実は俺、PC触り始めたの最近でさ。良かったらこのPCに何入ってるかデータ見てくれる?」
俺:「あ、別に構いませんよ」
前店長:「本社会議の資料やら売上データが残ってるはずだからさ。いただこうと思ってw」

俺は電源を入れて驚いた。
デスクトップの壁紙が……相澤おっぱい。  相澤おっぱい
私物化しすぎだろ。






392 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
相澤か……実にけしからん。





395 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
くぅ……あんな男と同じ嗜好なんて……くやしいビクビク





400 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
これは……何かある……。
新店長が小物を整理してる間に、俺はPCを探り始めた。

……いや、探る必要はなかった。

デスクトップに……信オンがあった。






402 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
おい……まさかw





410 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
まさかと思ったよ。
でも確認のため、キャラ選択画面まで進めてみる。
信オンは3人までキャラクターを作ることができるんだが……。
その3人とも……レベルがMAX……。

俺なんか比にならない、廃人だった。






421 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
勤務時間中……この部屋で信オンやってたのかあの店長……。

新店長:「あった?」
俺:「あ、はい、ありましたよ。たぶんファイル名がそれっぽいです」

俺は慌てて信オンの画面を消した。
もういない人間なんだ、見なかったことにしよう。

新店長:「じゃあ、これにデータ移しておいて」
俺:「はい」

USBメモリを受け取り、データをコピーしておいた。






430 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
ロッカーの清掃や小物の移動が終わり、あとは加藤君待ちとなった。
新店長は、わからないことはどんどんリーダーや俺に聞いてくる。
本当に店のことを考えてくれているようだった。
前店長も廃プレイしてる暇あったら、こうやってコミュニケーションとれば良かったのに。

……どうしても前店長と比較してしまう。
どこを比較しても、新店長が上回っていたけど。
これで少しでも店が良くなるならと、俺は進んで新店長に協力した。






432 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「おはようっす」
俺:「おはようございまーす。新店長来てますよ」
加藤君:「どう?」
俺:「良い人ですよ。ってか前が悪すぎただけですけどw」
加藤君:「あれと比べたら何でも良いってwとりあえず挨拶しとく」

そこに新店長がやってきた。






437 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
新店長:「おー、加藤てやっぱ加藤だったか、久しぶり」
加藤君:「……」
新店長:「俺だよ、たむら」
加藤君:「こんばんわっす」

加藤君が一言挨拶するとロッカーに入っていった。






450 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
それから男3人でロッカーを運ぶこととなった。
俺がモヤシなせいで2人に迷惑かけたが、無事引越作業は完了した。

新店長:「じゃあ、明日からこっちを女子ロッカーとして使ってください」
リーダー:「はーい。じゃあお疲れ様でした!」

新店長は0時過ぎにタイムカードを押して帰った。






456 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「良かったね〜。いい人みたいだよw」
俺:「ホントですね。アルバイト増やしてもらえるなら少し楽になりそうです」
リーダー:「だよね〜。私も久しぶりお休みもらえるかもw舞人とデートしよwあれ?どした晴彦君?」
加藤君:「いや……別に」
俺:「なんか今日は元気ないみたいだけど……」
加藤君:「いや、大丈夫」

そう言って加藤君はルームの清掃に向かった。

俺:「なんか……変ですよね?」
リーダー:「んー……ま、そのうち話してくれるんじゃないかな?」

俺とリーダーは違和感を感じながら、それぞれの仕事に就いた。






472 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
朝を迎え、高橋タンと矢口さんが出勤してくる。
二人は女性用ロッカールームができたことに驚いていた。

そして、俺と加藤君は仕事を終えロッカーに入った。






475 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「今日……体調悪かったっすか?」
加藤君:「いや……」
俺:「なんか……あんま元気ないから」
加藤君:「新しい店長……がな」


……俺は加藤君が出勤した時のことを、もっと深く考えるべきだった。






482 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「新しい店長がどうしました?」
加藤君:「俺の高校時代の部活の先輩

俺はこの時ようやく思い出した。
加藤君が高校をやめたきっかけが……部活内でのイジメ……。






495 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「けど……いい人でしたよ」
加藤君:「あの笑顔の下で……あいつは……」

いじめていた人間といじめられていた人間。
二人は全く違う別々の人生を歩んでいた。
しかし今、奇妙な関係で再び二人の人生は交差してしまったんだ。






498 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
加藤君も……辛い人生歩んでるなぁ(´Д⊂





504 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「やっぱり……今でも……憎いですか?」
加藤君:「憎くないわけがない。けど……今は違うと気持ちを切り替えるしかない」

加藤君の前向きな姿勢にはいつも関心させられる。
自分の人生をめちゃくちゃにされた人が、二度と会わないと思ってた人が再び目の前に現れたんだ。
それを認めるには、よほどの葛藤が伴ってくるだろう。






512 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
その日以降、20時出勤は全て俺が変わってあげた。
加藤君には時間が必要だと思ったからだ。
加藤君は素直にそれを受け入れてくれた。

そして店長が来てから1週間。
20時出勤の最後の日。






523 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「え……休みないんですか?」
リーダー:「そうですよ〜。だから、みんな休みが取れるように何人か雇ってくださいw」
店長:「そうですね……人件費とか言ってられませんね」

21時を回り、店長がリーダーに休みの相談をした時だった。






525 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「つい先月、子供が生まれたんですよ」
リーダー:「おめでとうございます!」
店長:「ええ、だからできるだけ息子と、妻と一緒にいる時間を作りたいんです」

間違いなく良い人だ……しかし、俺はこの人の過去を少しだけ知っている。


過去に他人を不幸せにした人間が、今笑顔で自分の幸せについて語っている。

……とても理不尽に感じた。

そう……死んでしまった母さんの事を思い出した。

この人に罪の意識はあるんだろうか?
そう考えると、いてもたってもいられなくなった。






531 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「店長……ちょっといいですか?」
店長:「うん、何かな?」
俺:「ちょっとロッカーに……」
リーダー:「うわっwww加藤君捨てられるwwww」
俺:「違いますよw」

俺は店長をロッカーに呼び出した。






532 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「お子さんカワイイですか?」
店長:「そりゃあねw目に入れても痛くないよw」
俺:「幸せですか?」
店長:「ちょ……何?」

俺は余計なお世話をしようとしているかもしれない。
それでも……これから上手くやっていくためには、と信じて疑わなかった。






535 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「加藤君の……高校時代のこと覚えてますか?」
店長:「あぁ……部活の後輩で……突然こなくなったんだよな」
俺:「守るべき……愛する人がいる店長なら、きっとわかってもらえると思って言います」
店長:「だから、何?」
俺:「加藤君、店長にいじめられてたって言ってました」
店長:「え?俺が?いじめ?」

本当に知らない風だった……。
いじめる側はそんなもんだろう。
罪の意識などまったくなく、危害を加える。
「いじめる側も辛いんです」なんて、あまりに馬鹿げたフレーズだ。






540 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ほんと、子供の権利主張、加害者の権利主張うざ過ぎ。





552 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
義務も果たしてないのに自由を与えるからな今のガキには。





561 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
制服を私服にしようって、通ってた高校が盛り上がってた。
嫌なら学校やめろよと思った。
大人になったら毎日スーツだっての。





575 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
イジメカコワルイ byゾノ






581 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「加藤君はそのせいで高校中退して、心に深い傷跡を残してます」
店長:「そっか……そうだったのか」
俺:「もしもお子さんがいじめにあったらどう思いますか?!もしも愛する人が不幸にあえばどう思いますか?!」

俺は興奮を抑えきれず、涙がこぼれた。






584 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長:「ごめん、本当に記憶にないんだ……」
俺:「それでも……一言謝ってあげてくれませんか?」
店長:「この後……彼が出勤したらそうするよ。ヨルツキ君は……優しい子だ」
俺:「いえ……ここにいるみんなが……俺を育ててくれたんです」

リーダーが、加藤君が。
高橋タンや矢口さんだって。

俺をここまで育ててくれた大切な仲間だ。





595 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
1時間後、加藤君が出勤してきた。
店長がそれを追うようにロッカーへと入っていった。

しばらく立って、先に店長が出てきた。
加藤君は心なしか笑顔のようだった。






598 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「リーダー、ちょっと受付いいっすか?ヨルツキ君、ちょっと」
リーダー:「いやぁwww今日は何wwww明日高橋に言いつけちゃうwwww」
俺:「だから違いますってw」

店長が帰ってから、加藤君にロッカーに呼び出された。






600 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
ロッカーのドアが閉まりきってから、加藤君が俺の腕をつついた。

加藤君:「余計なことすんなよw」

そういう加藤君は笑顔だった。






602 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「ロッカーで店長に土下座されたよ。俺も仕返したけどwwあのクソ店長の指導が役に立ったぜwww」
俺:「まじっすか?」
加藤君:「これくらいで許されるとは思ってないけど、この店を立派にしたいから協力してくれってさ」
俺:「そうですか……」
加藤君:「確かにあの時の傷は消えない。けど、俺はこの店が好きだ。だから過去は捨てていくらでも協力する」

加藤君はロッカールームのドアを開けた。

加藤君:「……ありがとな」

そう言って、ロッカールームを出て行った。






607 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
俺だったら・・・許せないだろうな。





613 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
俺も。ここであったが百年目!とか思うよ絶対。





620 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
復讐しようなんて考えは浮かばねーよ。
普通は逃げ出すことしか考えられない。





630 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
わだかまりが無くなった俺達は、一丸となって店の売上に貢献しようと努力した。
店長が来て一ヶ月を過ぎ、新人のアルバイトが3人も増えた。
その事によって、今までは待つことしかできなかった営業も、積極的に外でチラシ配りなどができるようになった。






635 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
そう簡単に売上は伸びる訳じゃない。
それでも俺達は120%のサービスを目指し、懸命にお客さん獲得に努力した。
新人の3人も、店の雰囲気の良さにそれぞれ頑張りを見せてくれていた。






646 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
そしてさらに3ヶ月ほど経ち、いよいよ新年を迎える。
ネットカフェに正月はない。
かと言って、カラオケやボーリングと違って、お客さんが極端に増えることはない。
いつも通りの営業だ。






651 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
正月のカラオケ屋の値段の高さは異常





664 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
店長には元旦は休んでもらうことに全員一致で決定した。
よって、リーダー、加藤君、俺の3人で年越しすることとなった。






665 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
時計は新年まで15分前を指していた。

リーダー:「はぁ……今年はいろいろあったなぁw」
加藤君:「そうっすねぇ」

二人がしみじみと今年を振り返っている。
俺にとっても目まぐるしいばかりの一年だった。
きっと、この時間は一生忘れないだろう。






669 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
「ちわー!」

エレベーターが開き、女性の声が聞こえた。
……高橋タンと矢口さんだった。






670 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「ちょ、どうしたw」
高橋タン:「彼氏もいないし、家で年越すのも寂しいから、やっちゃんと相談して来ちゃいましたw」
矢口さん:「これ……どうぞ」

矢口さんがみんなにクラッカーを渡す。






673 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「やっちゃう?wやっちゃう?w」
加藤君:「もう時間ないっすよ」
俺:「やっちゃいましょう!」
リーダー:「よう言うたヨルツキ!じゃーみんな用意!」

それぞれクラッカーの紐を指に巻き付ける。






678 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
タイムカードの時計をみんなで見つめる。
いよいよ……針が頂点を指した。
リーダー:「あけまして……」

「おめでとう!」



この仲間と年を越せたこと、本当に嬉しかった。






686 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
しかし、それと同時に寂しさを感じていた。
……そう、俺はあと三ヶ月で辞めることを伝えなくてはいけない。

きっと遅くなればなるほど言い出しにくくなる。
俺は朝の二人が帰った深夜、加藤君の休憩時間にリーダーに伝えることにした。






690 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「リーダー、ちょっといいですか?」
リーダー:「ほいほい」
俺:「あの……俺……バイト辞めます」

リーダーの顔が一瞬にして真剣な表情に変わった。






692 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「…どうして?」
俺:「俺、このバイト始めたきっかけ……専門学校に行くお金貯めたかったんです」
リーダー:「え、じゃあ4月からってこと?」
俺:「はい……突然すいません」
リーダー:「何言ってんの。それがヨルツキ君の夢なんでしょ?そんな顔してないで、胸を張りなさいw」

リーダーが俺の背中をバシーンと叩いた。






694 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「そっかぁ……じゃあ3月まで?」
俺:「はい、それくらいです」
リーダー:「もう誰かに話した?」
俺:「いや、一番最初に話すのはリーダーって決めてましたから」
リーダー:「そっか……ありがとう」


お礼を言いたいのはこっちです……。






697 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「店長には私から伝えておくわ。他の子には自分の口から言いたいでしょ?」
俺:「……はい」

加藤君の休憩明けに俺はその事を告げた。






698 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「えー?!俺の方が先だと思ってたのにw」
俺:「すいません」
加藤君:「何で謝る?やりたいことあるんだろ?めでたいめでたいw」

突然の告白にも、加藤君は応援してくれた。






690 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
高橋タン:「えー辞めちゃうの?残念」
矢口さん:「仕方ないね……頑張って」

みんな応援してくれた。

ずっと俺がぼんやりと考えてた……甘い夢だった。

けど今は違う。

みんなが応援してくれる。

オヤジが……オフクロが応援してくれている。


これはもう俺一人の夢じゃないんだ。






699 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
やがて3月を迎える。
新しく入った3人もすっかり仕事を覚え、俺達も休めることができるようになった。

大学の卒業式も無事に終えた。
周りは卒業記念に写真を撮りあったり、別れを惜しんだりしている。
その輪を縫うようにして、俺は帰路についた。

仲間が出来た俺は、特に寂しくなかった。






704 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
俺も特に寂しくなかったな。
大学なんて知り合い少ししかいないし。
高校時は寂しかったけど。





711 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
大学も部活によって顔の広さが違うと思うぞ。





729 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
帰って速攻、専門学校の願書と入学金の支払い手続きをした。
もう……引き返せない。
でも、後悔なんかしていない。






735 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
で、どこ通うの?

>それは勘弁してくれw





739 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
そしてバイト最終日、店長が気を利かせて、俺の送別会をやることになった。
20時からリーダー、加藤君、高橋タン、矢口さん、俺が時間が空くようにシフトを組んでくれた。
他のアルバイト達ともお別れの挨拶をした。
俺が慕われたかどうかは知るよしもないけど、そんなに悪い雰囲気じゃなかった。

そしてバイトあがりに、そのまま下の居酒屋に行くことになった。






742 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
飲み会なんて人生初だ。
お酒自体、家で飲むこともない。
けど、あの鶏の唐揚げが食べられることもあって、俺はワクワクしていた。






745 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
唐揚げwww





749 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
鶏カラ食べたこと無かったの?
メニューって半額で喰えるんじゃないの?

>半額で315円するんだ。
>家でご飯も食べてくるし、お金もったいないから食べた事無かったんだよ






761 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
お店に入ると、居酒屋の店長が話しかけてきた。

居酒屋:「うわ、何これw」
リーダー:「ヨルツキ君の送別会ですw」
居酒屋:「あーそうなの。5人が揃ってくるなんて何事かと思ったよw」
俺:「ありがとうございました、お世話になりました」
居酒屋:「いやーお疲れ様。今までありがとね〜w生一杯タダ!」
高橋タン:「えー、全員タダにしてくださいよぅ」
居酒屋:「参っちゃうね、高橋さんに言われちゃ仕方ねぇww」
矢口さん:「私もタダにしてほしい……」
居酒屋:「いやーおじさん困っちゃうねー、矢口さんならモチのロンだよ!」
加藤君:「あーおっさん、どうでもいいからナンカラ出して!」


なんだこのテンションの高さは……すでにみんなお酒が入ってるんじゃないか?






770 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
平日で予約もないってことで、個室の大座敷に案内された。
生ビールが入ったグラスがどんどん運ばれてくる。
俺の横に加藤君、向かいにリーダー、高橋タン、矢口さんが座った。

リーダー:「じゃあ、とりあえず……ヨルツキ君お疲れ様〜!」


「カンパーイ!」


五つの生グラスが甲高い音を鳴らした。






778 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
うわぁぁ……やっぱビールって苦ぇぇぇ。

加藤君:「ぷはぁぁああああ……次!」
リーダー:「ぷはぁあぁああああ……おなじく!」

リーダーと加藤君は、グラスを一気に空にした。
それに釣られて高橋タンと矢口さんもグラスを空けた。






780 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
次から次に運ばれるグラスが、すごい勢いで空けられていく。
店員さんが追っつかないw
何これ、なんかの大会ですか?みたいな雰囲気だった。
あっけにとられていると、注文していたフードが少しずつ出始めた。






786 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
とうとう俺待望の鶏の唐揚げが来た。
リーダー:「いただきまーす」
リーダーの一言を皮切りに、みんなの箸が鶏の唐揚げを奪っていく!

残されたのは……付け合わせのキャベツとレモンだった。






790 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
なんという悲劇www





795 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
多人数で行くと、うまいもんはこうなる運命予報





804 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「NOォォォォッ?!!!!!」
加藤君:「ほらほら、主役が飲まないでどうするよ?どぅゆーあんだーすたぁん?」

俺が悲鳴をあげていると、加藤君が首に腕を回してきた。
え?何?もう酔っぱらってるの?
これが絡み酒って奴か?!

誰か助けて……。

リーダーと高橋タンが主に高橋タンのおっぱいでじゃれ合ってる!なんて破廉恥な!いいぞもっとやれ!

ちがう、助けて欲しいんだ俺は!

……いたー!一人助けてくれそうな人が!






821 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
加藤君……ジョジョに毒されすぎだろw





835 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
矢口さん:「ふふっw私の注いだお酒が飲めないの?w」

うわぁぁ……ダメだ……矢口さん、笑ってるけど目が座ってるwwww
そもそもこれ注いだの居酒屋店長だし!

加藤君:「おまえが飲まないなら俺が飲む!」
矢口さん:「ぉぉぉぉ」


……これがお酒の席ってやつか!
ハチャメチャだけど……楽しいかな?






849 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
しばらく騒いだあと、加藤君、高橋タン、矢口さんはピタリと無口になった。
完全個室の大座敷ということで、そのまま横になり眠ってしまったようだ。
みんな疲れてるからなぁ……。

これで落ち着いて鶏の唐揚げが食べられるw






863 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「飲む?」
俺:「あ、もう……いいです」
リーダー:「もう、みんなだらしないなぁ。主役ほっぽってさw」
俺:「いや、でも楽しかったですよw」
リーダー:「そう、良かったwこんなこと初めてだもんねw」
俺:「そうっすね……唐揚げウマー」
リーダー:「さっきは取っちゃってごめんねwwじゃあ改めてお疲れ様」

リーダーが焼酎水割グラスを掲げるので、俺もぬるくなったビールグラスを掲げた。






865 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「リーダーは……酔ってないんですか?」
リーダー:「うーん……これぐらいじゃ…酔えないかな?普段はロックだし」

リーダーの周りの空グラス、一番多いんですけど……。






868 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「本当にお世話になりました」
リーダー:「何ww急に湿っぽくなるじゃんw」
俺:「でも、本当に、本当なんです」

俺はポーッとする頭でリーダーに感謝を伝えようとした。






870 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
俺:「リーダーと出会えてよかったです」
リーダー:「……私もだよ。ここだけの話、今ここにいるメンバーが最高だと思ってる」

気持ちよさそうに眠る3人を見渡す。

上手く言葉にならない……。
目が潤んできた。






876 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「ちょww何で泣くのwww泣き上戸だな、ヨルツキ君は」
俺:「な、泣いてませんよ!汗です」
リーダー:「……初めてヨルツキ君が面接に来た時のこと思い出すわぁ」
俺:「や、やめてくださいよw」

人と話すのが苦手で、リアル友人がいなかった俺。
あの時の俺は、今の俺とはまったく違う。
今はわりと話せることができるようになったし、大切な仲間もできた。



そう……人は変われるんだ。






901 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「いろいろあったね……ほんと」
俺:「はい……いろいろありました」
リーダー:「4月から……頑張ってよ」
俺:「頑張ります」
リーダー:「それが私の夢。ここにいるみんなの夢。そして、亡くなった……お母さんの夢」

俺は改めて心に誓った。
絶対にプロのゲームクリエーターになってやると。






920 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
居酒屋:「ちょwww奇跡奇跡wwww」

居酒屋店長が部屋に入ってきた。

リーダー:「何々ww」
居酒屋:「こんな平日に団体さんの予約入ったのww奇跡すぎるwww」
リーダー:「よかったじゃんwwじゃあ私達もそろそろお開きにしようかな?高橋〜起きれ〜ww」

リーダーが高橋タンのおっぱいを揉み倒す。
俺と居酒屋店長はまばたきを忘れた。






925 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
その後、加藤君と矢口さんを何とか起こし店を出た。
居酒屋店長の粋な計らいで、全品半額にしてくれた。
俺は主役ということで全額おごってもらった。
……まぁ、ほとんどフードだけだったが。

外に出て、改めてみんなの顔を見つめる。






937 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
加藤君:「じゃあな」

バイトの先輩にして、人生の大先輩。
あなたから教わった生き様、覚悟、忘れません。
来年は大検頑張ってください。






939 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
高橋タン:「店たまには顔出してね」

すてきなおっぱいをありがとう。
すごく癒されました。
ポリゴン言ってすいませんでした。






940 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
矢口さん:「また……会いましょう」

最初は取っつきにくかったあなた。
でもあなたはそのままでいてください。
クーデレは永遠に不滅です。






944 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
リーダー:「じゃ、気をつけてね。いつでもお店戻っておいでw」

あなたの元気はいつも周りを照らしてくれる。
あなたの笑顔はいつも勇気づけてくれる。

あなたがいなければ、今の俺はありません。






945 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
一人ずつ握手を交わし、俺は別れを告げた。


「本当にありがとう」





949 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
自転車は飲酒運転になるので、俺は徒歩で帰宅した。
オフクロに手を合わせて、改めて決意する。






950 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
この春大学を卒業し、俺は無職。

だけど、夢を目指して専門学校へ行く。

道は険しいかもしれない。

それでも、決してあきらめない。

きっと誰かの期待を受けて生きてる。

人は変われるんだ。

4月から新生活をスタートする人、一緒に頑張ろう!










954 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
頑張れ、ヨルツキ。
まだ俺には父ちゃん母ちゃんいるから、できるだけ親孝行するよ。





960 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
人は変われる……そうだな。
明日から一歩前に踏み出してみよう。





964 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ヨルツキと同時スタートだ。
絶対負けねーかんな!





970 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ゲー専でも良い仲間見つけろよ!





975 :ヨルツキ◆mjk8CIL23/N 2008/04/01(火) ID:L1rkxj2s0
それでは名無しに戻ります。

長い間俺の話を聞いてくれてありがとう。


ノシ





976 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ノシ





977 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ノシ





978 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
ノシ





979 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
お疲れ、頑張ろうぜ!




984 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
春だし……頑張ってみるか。





990 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
出逢いの季節っていうしな





995 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
1000なら鶏の唐揚げは俺の物!





997 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
1000なら俺もゲー専入学!





999 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
1000ならヨルツキ300万本出荷!





1000 :以下、名無しにかわりましてinspireがお送りします。 2008/04/01(火) ID:???
1000ならゲームクリエーター「ヨルツキ」誕生!





1001 :
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||..ミ、|ミ //彡     1000 を 超 え ま し た ・・・
||ミ.|.ミ/ ./.|         こ の 春 あ な た に 良 い 出 逢 い が あ り ま す よ う に ・・・.
||.|//|.  [] ∧v∧          : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜
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